白菜を秋冬に結球させたい場合は、地域や品種にもよりますが、8月中旬〜9月上旬ごろまでに種まきを始めるのが大切です。白菜は生育期間が短いようでいて、冬までに十分な葉数を作れないと、葉が巻ききらずに終わってしまいます。
この記事では、8月中旬にプラグトレイで白菜の苗作りを始めた実例をもとに、種まき時期の考え方、プラグトレイ・セルトレイの選び方、1穴にまく粒数、発芽後の管理を整理します。
白菜の種まきは、冬から逆算して考える
白菜栽培で失敗しやすいのは、種まきや植え付けが遅れて、結球前に寒くなってしまうことです。結球とは、白菜の内側の葉が重なり、丸く締まった形になることです。
これまでに何度か白菜を作っていますが、完全に結球して、いわゆる「白菜らしい白菜」になったことはほとんどありませんでした。結球する前に冬になり、葉の枚数が足りないまま収穫することが多かったのです。
タキイ種苗のハクサイ栽培資料でも、秋冬栽培では一般地で10月下旬〜11月上旬ごろまでに十分な外葉を作っておくこと、遅まきでは葉数不足から不結球の問題が出ることが説明されています。
| 目標 | 考え方 | この記事の実例 |
|---|---|---|
| 11月中旬〜12月初めまでに大きく育てる | 寒さで成長が鈍る前に葉数を確保する | 8月中旬に種まき開始 |
| 60日品種を使う | 栽培期間を短くして遅れを減らす | 比較的早く収穫できる品種を選択 |
| 苗作りを安定させる | 直まきではなくトレイで管理する | 大きめの穴のプラグトレイを使用 |
8月中旬にプラグトレイで種まきした実例
今年の秋冬に向けて、白菜の栽培を種まきから始めました。白菜のほかに、同じ時期に育てるキャベツとブロッコリーの種も購入しました。

このとき用意したのは、白菜の種、育苗用のプラグトレイ、種まき用の培養土です。育苗とは、畑に植え付ける前の小さな苗を育てることです。

以前、菜園の土をそのまま育苗に使ったことがあります。そのときは、芽が出ないわけではありませんでしたが、発芽率が悪く、発芽しても苗が大きく育ちにくいことがありました。その経験から、今回は育苗専用の土を用意しました。
プラグトレイとセルトレイはどう選ぶ?
プラグトレイやセルトレイは、小さな穴がたくさん並んだ育苗用のトレイです。省スペースで多くの苗を作れる一方、1穴あたりの土の量が少ないため、乾きやすく、管理は少し細かくなります。
今回は、ホームセンターで売られていた中から、穴が大きめのトレイを選びました。以前、100個近く種をまける小さな穴のセルトレイを使ったときは、苗が大きくならず、そのまま畑に植えられる大きさまで育てるのが難しかったためです。
全農Apronでは、家庭菜園では128穴のセルトレイが使いやすいと説明されています。一方、この記事の実例では、移植の手間を減らして定植まで育てやすくするため、さらに穴が大きめのトレイを選びました。たくさん苗を作るなら128穴、少ない本数をしっかり育てたいなら大きめの穴、と考えると選びやすいです。
| トレイのタイプ | 向いている使い方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 小さめのセルトレイ | たくさんの苗を省スペースで作る | 苗が大きくなる前に鉢上げや定植が必要になりやすい |
| 128穴前後のセルトレイ | 家庭菜園で複数種類を育苗する | 乾きやすいので水切れに注意 |
| 穴が大きめのプラグトレイ | 少ない本数を定植サイズまで育てたい | 置き場所はやや必要だが、苗を大きくしやすい |
| ポット | 本数が少ない、根鉢をしっかり作りたい | 土の量と置き場所が増える |
1穴に3粒まき、最終的に1本立ちにする
今回は、大きめの穴のトレイを使い、1穴に3粒ずつ種をまきました。発芽後は成長に応じて間引き、最終的に1本立ちにする予定です。1本立ちとは、1つの穴や1か所に元気な苗を1本だけ残すことです。
タキイ種苗の資料では、ハクサイの発芽適温は20〜25℃、適温なら播種後3〜5日で発芽すること、セルトレイ育苗では15〜20日程度、本葉3〜4枚で定植することが示されています。JAさいたまの資料では、128穴セルトレイに1穴4〜5粒をまき、発芽後に間引いて20日ほどで本葉3〜4枚の苗に仕上げる方法が紹介されています。
家庭菜園では、使うトレイの穴の大きさや品種で管理が変わります。小さいセルなら早めに定植や鉢上げを考え、大きめの穴なら、苗の根が回って定植できる状態になるまで育てやすくなります。
夏の育苗で失敗しやすいポイント
8月中旬の種まきは、白菜の栽培期間を確保しやすい一方で、暑さと乾燥に注意が必要です。セルトレイは土の量が少ないため、畑よりも早く乾きます。
- 発芽までは乾かしすぎない
- 真夏の強い直射で土が高温になりすぎないようにする
- 発芽後は日当たりと風通しを確保する
- トレイの端は乾きやすいので重点的に見る
- アブラムシ、コナガ、ヨトウムシなどの害虫を早めに防ぐ
全農Apronでも、夏のセルトレイ育苗では高温と強い日射の中で水やりが重要で、害虫が多い時期には防虫ネットで被覆する方法が紹介されています。苗の段階で虫に食べられると、その後の生育にも響くため、白菜やキャベツ、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜では早めの防虫が安心です。
苗作りから植え付けまでの流れ
- 8月中旬〜9月上旬を目安に、品種の栽培期間を確認する
- プラグトレイまたはセルトレイに種まき用培養土を入れる
- 1穴に数粒ずつまき、薄く覆土して水を与える
- 発芽後は日当たりと風通しを確保し、水切れに注意する
- 混み合ってきたら元気な苗を残して間引く
- 本葉が増え、根鉢ができてきたら畑へ植え付ける
根鉢とは、根が培養土を抱え込んで、トレイから抜いたときに土が崩れにくくなった状態のことです。根鉢ができる前に無理に抜くと苗を傷めやすいので、急がず苗の状態を見て植え付けます。
次に読むと役立つ関連記事
- 白菜の育て方:種まき後の植え付け、追肥、収穫までの全体像を確認できます。
- 間引きについて:1穴に複数粒まいた後、どの苗を残すか迷うときに役立ちます。
- 苗とは?良い苗の選び方:定植できる苗の状態を確認したいときに参考になります。
- ブロッコリーを苗から栽培:同じ秋冬野菜の苗作りで失敗した実例として読めます。
参考にした資料
- タキイ種苗「ハクサイ栽培マニュアル」:発芽適温、セルトレイ育苗、播種限界、結球に必要な外葉づくりを確認しました。
- JAさいたま「ハクサイ よく締まった大球に育て上げるコツ」:まきどき、128穴セルトレイ、育苗日数、間引きの考え方を確認しました。
- 全農Apron「夏のセルトレイ育苗の注意点は?」:夏の水やり、底面通風、防虫ネットによる害虫対策を確認しました。

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