- はじめに
- 【選び方のポイント】品種によって変わる!味・育てやすさ・収穫量
- 【品種別紹介】家庭菜園で育てやすい&人気のさつまいも
- 【迷ったらコレ!】目的別おすすめ早見表
- 品種別の栽培スケジュールまとめ
- まとめ|さつまいもは品種選びで育てる楽しみも広がる!
はじめに
家庭菜園で人気の作物「さつまいも」。比較的育てやすく、収穫の喜びも大きいため、多くの人が毎年栽培に挑戦しています。ところが、いざ栽培しようと苗を探すと、「ベニアズマ」「べにはるか」「シルクスイート」など多くの品種が並び、どれを選べばよいのか迷ってしまう……」という方も少なくありません。
さつまいもは品種によって味・食感・甘み・育て方・栽培期間が大きく異なる作物です。たとえば、しっとり濃厚な甘さが特徴の「べにはるか」と、ホクホクとした食感の「ベニアズマ」では、まったく異なる料理の楽しみ方ができます。また、栽培のしやすさや追熟の要不要、収穫時期にも違いがあります。
本記事では、家庭菜園で手に入りやすく、育てやすい人気のさつまいも品種を中心に、それぞれの特徴を詳しく紹介します。さらに、目的や好みに合わせた品種の選び方や、品種別の収穫スケジュールも解説しているので、きっと「自分にぴったりの品種」が見つかるはずです。
【選び方のポイント】品種によって変わる!味・育てやすさ・収穫量
さつまいもは「どれを選んでも同じ」と思われがちですが、実は品種によって大きく性質が異なります。収穫後の味わいはもちろん、栽培期間や育てやすさ、保存のしやすさまで、さまざまな違いがあります。ここでは、品種選びの際に押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
🍠 1. 甘みと水分量(ねっとり系/ほくほく系)
さつまいもは大きく分けて「ねっとり系」と「ほくほく系」に分類されます。
- ねっとり系:水分が多く、加熱すると糖度が高くなるのが特徴。焼き芋にするととろけるような食感に。代表品種:べにはるか、安納芋、シルクスイート(追熟でねっとり化)
- ほくほく系:水分が少なめで、加熱すると粉質のホクホク感が楽しめる。料理やおやつ向き。代表品種:ベニアズマ、なると金時
甘さを重視するなら「ねっとり系」、料理の素材として汎用性を求めるなら「ほくほく系」がおすすめです。
🍽️ 2. 食感の違い
味の甘さに加えて、食感にも差があります。
- しっとり系(中間タイプ):水分も甘さもほどよく、ねっとりとホクホクの中間的な品種。代表品種:シルクスイート
- 密系(ねっとり+強い甘み):加熱後に蜜がにじみ出るほど甘い。代表品種:安納芋、べにはるか
- 粉質系(ホクホク+軽めの甘み):素朴で飽きのこない味。代表品種:ベニアズマ、なると金時
食感の好みで選ぶと、調理や食べ方の満足度が大きく変わります。
🌿 3. 栽培期間と育てやすさ
さつまいもは全体的に丈夫な作物ですが、品種によって生育にかかる日数や栽培管理の手間が異なります。
- 育てやすい・短期間で収穫できる:ベニアズマ、なると金時
- 栽培期間が長め・晩成種:安納芋、パープルスイートロード、タマユタカ(約140~150日)
- 病気に強い・初心者向け:シルクスイート、べにはるか(根付きやすい)
初心者は、病害虫に強く、生育も早い品種から始めるのがおすすめです。
🏺 4. 傷みにくさ・保存性
さつまいもは収穫後すぐに食べるよりも、追熟(しばらく置いて糖化を進める)することで甘みが増します。ただし、品種によって貯蔵性や追熟に向くかどうかが異なります。
- 保存性が高く扱いやすい:ベニアズマ、タマユタカ
- 追熟で甘さが劇的に変化する:べにはるか、シルクスイート、安納芋
- 傷みやすく早めに消費したい:安納芋(皮が薄く水分が多いため)
収穫後の保存期間を長くとりたい方は、保存性のある品種を選びましょう。
このように、品種によって家庭菜園での育てやすさや、収穫後の楽しみ方が変わってきます。
【品種別紹介】家庭菜園で育てやすい&人気のさつまいも
ベニアズマ(紅東)|迷ったらまずこれ!安定感抜群の定番品種

🍠 特徴と味わい
「ベニアズマ」は関東地方を中心に長く親しまれてきた家庭菜園の定番品種で、スーパーなどでもよく見かけるポピュラーなさつまいもです。甘さはほどよく、食感はホクホク系。加熱しても水分が少なめで、焼き芋はもちろん、天ぷらや煮物、大学芋などさまざまな料理に使いやすいのが魅力です。
味のインパクトは強くないものの、素朴で飽きのこないおいしさで、料理全体のバランスを取りやすいのもポイントです。

🌿 栽培のしやすさ
ベニアズマは栽培期間が比較的短く、病気にも強いため、初心者にも非常におすすめです。切り苗の発根も良く、根付けば旺盛にツルが伸びてしっかりと育ちます。肥料分が多すぎるとツルばかり育って芋が太らない「つるボケ」には注意が必要ですが、それ以外は手がかからない安心の品種です。
📅 栽培スケジュール(目安)
- 植え付け時期:5月上旬~6月上旬
- 収穫時期:9月中旬~10月中旬(栽培期間:約120~130日)
- 追熟期間:1~2週間程度で甘みが増す
収穫後は新聞紙などで包み、風通しのよい場所に置いておくだけで、甘さがじわじわと引き出されます。長期保存も比較的しやすく、秋~冬の食卓で活躍します。
✅ こんな方におすすめ
- 初めてさつまいもを栽培する方
- 甘さ控えめで料理に使いやすい芋がほしい
- 短めの栽培期間で収穫までたどり着きたい
- 保存性のある品種を選びたい
安納芋|濃厚な甘さで人気。やや栽培難度高め

🍠 特徴と味わい
「安納芋」は鹿児島県種子島原産のさつまいもで、とろけるような食感と、焼くだけで蜜があふれ出るような強い甘みが特徴です。加熱後の糖度は40度以上になることもあり、焼き芋にすればスイーツのような味わいに。
果肉はややオレンジがかった濃い黄色で、しっとり・ねっとり系が好きな方にはたまらない魅力があります。
近年では焼き芋専門店や高級スーパーなどでも定番の人気品種として扱われています。

🌿 栽培のしやすさ
「安納芋」は甘さと風味は一級品ですが、家庭菜園ではやや栽培に注意が必要な品種です。水はけが悪い場所では腐りやすく、また肥料のバランスを間違えると形が乱れたり、病気が出やすくなります。つるの伸びも比較的控えめで、他の品種と同じように育てると収量がやや劣ることも。
さらに、栽培期間が長めで晩成型のため、植え付けが遅れると霜に当たる前に収穫できなくなるリスクがあります。
📅 栽培スケジュール(目安)
- 植え付け時期:5月中旬〜6月上旬
- 収穫時期:10月中旬〜11月中旬(栽培期間:約140〜150日)
- 追熟期間:2〜4週間以上(甘さがピークに)
水はけのよい畝に高めに植え付け、土寄せも丁寧に行うことで芋の肥大が安定します。収穫後は2〜3週間の追熟を行うと、とろけるような甘さと食感が引き出されます。
✅ こんな方におすすめ
- 市販の甘い焼き芋が好きな方
- 栽培に少し手間をかけられる中・上級者
- 晩成型でもしっかり管理できる人
- 自家製「とろける焼き芋」を味わいたい方
べにはるか|強い甘みとねっとり食感。追熟で極甘に

🍠 特徴と味わい
「べにはるか」は、今や焼き芋ブームの中心的存在とも言える大人気品種です。加熱すると蜜がにじみ出るほどの強い甘さと、なめらかでねっとりとした食感が特徴。とくに収穫後に数週間追熟させることで、糖度が格段にアップし、「スイーツのようなさつまいも」として評価されています。
見た目はやや細長い形で、皮は紅色、中身はクリーム色。蒸し芋や焼き芋のほか、スイートポテトなどのスイーツづくりにも最適です。

🌿 栽培のしやすさ
「べにはるか」は比較的新しい品種ですが、病害虫に強く、家庭菜園でも育てやすいのが魅力です。苗も根付きやすく、つるの勢いもよいため、初心者にも安心して栽培できます。
ただし、土壌が肥えすぎていると「つるボケ」を起こすことがあるため、肥料は控えめにするのがコツ。また、収穫はやや遅めなので、霜の前に収穫するタイミングに注意しましょう。
📅 栽培スケジュール(目安)
- 植え付け時期:5月中旬~6月上旬
- 収穫時期:10月上旬~11月上旬(栽培期間:約130〜140日)
- 追熟期間:2〜4週間(理想は新聞紙に包んで常温保存)
追熟をしっかり行うことで、しっとり感と甘さが格段に増します。できれば収穫後すぐには食べず、1〜2週間以上置いてからがベストです。
✅ こんな方におすすめ
- とにかく甘いさつまいもが食べたい
- 焼き芋やスイーツ作りがメイン
- 育てやすさも妥協したくない
- 追熟の手間を楽しめる方(味の変化を楽しみたい)
なると金時|ほくほく系の王道。関西で特に人気

🍠 特徴と味わい
「なると金時」は、徳島県鳴門市周辺で栽培されてきたブランド品種で、ほくほくとした粉質食感と上品な甘さが特徴のさつまいもです。加熱するとやや黄色みを帯びた白色の果肉になり、水分が少なくホクホクとした口当たりで、煮物や天ぷら、焼き芋、大学芋などに適しています。
「ほくほく系の王道」ともいえる品種で、関西地方を中心に根強い人気があります。甘さは「べにはるか」や「安納芋」ほど強くはないものの、素材そのものの味を活かす料理に最適です。

🌿 栽培のしやすさ
「なると金時」は比較的育てやすく、家庭菜園にも向いた品種です。根の張りも良く、病害にもそこそこ強いため、初心者でも安定した栽培が期待できます。ただし、やや肥料を好む傾向があり、極端にやせた土地では芋が細くなることもあるため、事前の土づくりはやや丁寧に行いたいところです。
また、収穫までの期間も比較的短く、標準的な管理でしっかりと育ってくれる安心感があります。
📅 栽培スケジュール(目安)
- 植え付け時期:5月中旬〜6月上旬
- 収穫時期:9月下旬〜10月中旬(栽培期間:約120〜130日)
- 追熟期間:1〜2週間程度
収穫直後よりも、軽く追熟させることで甘さと風味が安定します。湿気には弱いため、通気性の良い場所で保管しましょう。
✅ こんな方におすすめ
- ホクホク系の芋を好む方
- 料理に使いやすい品種を探している人
- 甘さよりも食感重視の方
- 栽培が比較的簡単な品種から始めたい初心者
シルクスイート|ねっとりとほくほくの中間で上品な甘さ

🍠 特徴と味わい
「シルクスイート」は比較的新しい品種で、ねっとり感とホクホク感のバランスが絶妙な“ハイブリッド型”さつまいもとして人気を集めています。食感はその名の通り「シルク」のようになめらかで、舌触りがとてもやさしいのが特徴。甘さはしっかりとありますが、後味がすっきりとしていて、上品な印象を受けます。
焼き芋やふかし芋だけでなく、お菓子やスイーツにもぴったりで、家庭でも非常に使いやすい品種です。

🌿 栽培のしやすさ
シルクスイートは、「べにはるか」と「春こがね」の交配により誕生した品種で、病気にも強く、発芽・発根も安定しており、初心者でも育てやすいとされています。切り苗の活着も良好で、気温や天候の変動にも比較的強く、家庭菜園での成功率も高めです。
ただし、成長がやや早いため、肥料を控えめにしないと「つるボケ」になる可能性があります。
📅 栽培スケジュール(目安)
- 植え付け時期:5月中旬~6月上旬
- 収穫時期:9月下旬~10月中旬(栽培期間:約120~130日)
- 追熟期間:1~3週間(しっとり甘くなる)
収穫直後はややホクホク寄りの食感ですが、追熟を重ねることでしっとり感と甘さが増していきます。好みに合わせて収穫後の保存期間を調整できるのもこの品種の面白さです。
✅ こんな方におすすめ
- ねっとり系とホクホク系の“いいとこ取り”がしたい人
- 食感や風味にこだわりたい方
- スイーツ作りに向いた品種を探している
- 初心者だけど、ちょっと良い品種に挑戦してみたい
パープルスイートロード|アントシアニン豊富な紫芋

🍠 特徴と味わい
「パープルスイートロード」は、果肉が鮮やかな紫色をしたさつまいもで、アントシアニン(ポリフェノールの一種)を豊富に含む健康志向型の品種です。加熱しても色が抜けにくく、焼き芋・蒸し芋・天ぷら・お菓子づくりなどに重宝されます。
味わいは比較的さっぱりとしており、ねっとり系ではなくホクホク感がやや強め。甘さはやや控えめですが、素材の風味を活かした料理やスイーツにはぴったりです。紫芋の中では甘みが強い方なので、食べやすさの点でも優秀です。

🌿 栽培のしやすさ
「パープルスイートロード」は、紫芋としてはめずらしく家庭菜園での栽培にも適した品種です。耐病性が高く、比較的育てやすい上に、芋の肥大も安定しています。切り苗も入手しやすく、近年ではホームセンターや通販でも見かける機会が増えています。
ただし、他の品種と混植すると収穫後に識別しにくくなるため、専用区画を確保して育てるのがベストです。
📅 栽培スケジュール(目安)
- 植え付け時期:5月中旬~6月上旬
- 収穫時期:10月上旬~10月下旬(栽培期間:約130日)
- 追熟期間:1~2週間(甘さが安定)
紫芋は収穫してすぐよりも、少し追熟させることで甘さと香りが引き立ちます。保存中は湿気に注意し、新聞紙などで包んで風通しのよい場所に保管しましょう。
✅ こんな方におすすめ
- 健康志向・抗酸化成分(アントシアニン)を意識したい方
- 紫芋の色を活かした料理やスイーツを作りたい人
- 少し変わったさつまいもに挑戦してみたい
- 栽培しやすさも重視しつつ、見た目にもこだわりたい方
タマユタカ|お菓子・加工用に。大きく育ちやすい
🍠 特徴と味わい
「タマユタカ」は、業務用・加工用としても長年親しまれているさつまいもで、比較的クセのない甘さとホクホク寄りの食感が特徴です。加熱するとやや粉質で、味わいはあっさりとしています。
その分、加工品の原料(スイートポテト、干し芋、芋ようかん、芋けんぴなど)としてとても扱いやすい品種で、家庭でもお菓子作りや保存食向けに重宝します。
大きく育ちやすく、1株あたりの収量も安定していることから、実用的でコストパフォーマンスの高い品種とも言えます。
🌿 栽培のしやすさ
タマユタカは育てやすさに定評のある品種で、家庭菜園でも問題なく栽培できます。生育旺盛でつるもよく伸びるため、広めのスペースを確保するのがおすすめです。
肥料分が多いとつるボケの原因になるため、他の品種同様に元肥を少なめにし、追肥も控えめに。土壌条件さえ整えば大きく太った芋を安定して収穫できる品種です。
📅 栽培スケジュール(目安)
- 植え付け時期:5月中旬~6月上旬
- 収穫時期:10月中旬~11月上旬(栽培期間:約130〜140日)
- 追熟期間:1〜2週間(保存用ならさらに長く)
大きく育ちやすいぶん、収穫時期が少し遅めになる傾向があります。サイズ重視なら少し長めに育ててから収穫するのがおすすめです。
✅ こんな方におすすめ
- 加工・保存用のさつまいもを求めている人
- 安定した収穫量を確保したい方
- 大きな芋を育てたい
- 干し芋・スイーツ作りなど家庭加工を楽しみたい方
クイックスイート|電子レンジ調理にも対応!超早生タイプの時短系さつまいも
🍠 特徴と味わい
「クイックスイート」は、短期間で収穫可能な超早生(ちょうわせ)品種として開発された、比較的新しいさつまいもです。最大の特徴は、加熱後すぐに甘くなる性質で、通常のさつまいもが必要とする「追熟期間」がほとんど不要です。
また、電子レンジで加熱した場合でも、ねっとりと甘く仕上がる特性があり、家庭での調理にも非常に便利。スピード栽培&時短調理が魅力の、現代的なニーズにマッチした品種です。
🌿 栽培のしやすさ
栽培期間が短く、家庭菜園でも収穫までの期間を圧縮できるため、秋の気温低下が早い地域にも向いています。ただし、超早生型であるがゆえに、収穫タイミングを逃すと過熟気味になりやすく、味が落ちるリスクがあります。
また、一般的なさつまいもよりやや小ぶりな芋が多いため、「大きい芋を育てたい」というニーズには少し物足りないかもしれません。
📅 栽培スケジュール(目安)
- 植え付け時期:5月上旬~6月上旬
- 収穫時期:9月上旬~下旬(栽培期間:約100〜110日)
- 追熟期間:不要 or 1週間程度でOK
✅ こんな方におすすめ
- 栽培期間が限られている地域・場所で育てたい方
- 追熟せずすぐに食べられるさつまいもを探している人
- 電子レンジ調理でお手軽に楽しみたい方
- 初心者〜時短派の方におすすめ
高系14号|全国のさつまいものルーツ的存在。育てやすく味も◎

🍠 特徴と味わい
「高系14号(こうけいじゅうよんごう)」は、現在流通している多くのさつまいもの元祖とされるロングセラー品種です。「紅あずま」「鳴門金時」などの基礎になっている品種でもあります。
ホクホク感の強い粉質系で、ほんのりとした自然な甘みがあり、焼き芋やふかし芋はもちろん、煮物や揚げ物などにも幅広く対応します。どんな料理にも合うバランス型で、昔ながらの味を楽しみたい方にぴったりです。
🌿 栽培のしやすさ
高系14号は、家庭菜園での栽培にも非常に適した品種です。生育が安定しており、芋の肥大もしっかりしているため、初心者でも安心して育てられます。
さらに、病気に対する耐性もそこそこ強く、つるも旺盛に伸びて雑草抑制にも一役買ってくれる、まさに「家庭向きのスタンダード品種」といえるでしょう。
📅 栽培スケジュール(目安)
- 植え付け時期:5月中旬~6月上旬
- 収穫時期:10月上旬~中旬(栽培期間:約130日)
- 追熟期間:1〜2週間で甘み安定
✅ こんな方におすすめ
- バランスの良い定番の味を楽しみたい方
- 初心者〜中級者で、育てやすさを重視する人
- 調理用途が広い品種を探している方
- 種苗店などで確実に手に入れたい定番品を選びたい方
【迷ったらコレ!】目的別おすすめ早見表
さつまいもは品種によって味・食感・育てやすさが大きく異なります。
ここでは、栽培の目的や好みに応じたおすすめ品種を一目で確認できるよう、早見表形式でまとめました。
「どれを育てればいいの?」と迷った方は、ぜひ参考にしてください。
目的・重視ポイント | おすすめ品種 | 特徴・理由 |
---|---|---|
とにかく育てやすい初心者向け | ベニアズマ/高系14号 | 病気に強く、栽培期間も標準。安定して収穫しやすい万能型 |
甘くてねっとり系が好き | べにはるか/安納芋 | 加熱で極甘&しっとり系。特にべにはるかは追熟で甘さアップ |
ホクホク系で料理に使いやすい | ベニアズマ/なると金時/高系14号 | 素朴で甘さ控えめ。煮物・天ぷらなどの和食にぴったり |
上品な味と滑らか食感を楽しみたい | シルクスイート | ホクホクとねっとりの中間。焼き芋・スイーツ向け |
健康志向・色で選びたい | パープルスイートロード | 紫色の果肉にアントシアニンたっぷり。見た目も栄養価も◎ |
スイーツ・お菓子作りがメイン | タマユタカ/シルクスイート | 加工向けで味の主張が強すぎず、スイーツのベースに使いやすい |
栽培スペースが限られている | クイックスイート | 栽培期間が短めで、小さめの区画でも育てやすい |
収穫後すぐに食べたい(追熟不要) | クイックスイート | 加熱直後から甘くなる。レンジ調理にも対応 |
たくさん収穫したい・サイズ重視 | タマユタカ/高系14号 | 大きな芋に育ちやすく、1株あたりの収量も安定 |
品種別の栽培スケジュールまとめ
さつまいもの基本的な栽培時期は、5月中旬~6月上旬に植え付け、10月前後に収穫するのが一般的です。ただし、品種によって栽培期間や収穫適期には微妙な違いがあります。
以下の表に、代表的な9品種の植え付け〜収穫時期・追熟の目安をまとめました。
品種名 | 植え付け時期 | 収穫時期 | 栽培期間(目安) | 追熟の要否 |
---|---|---|---|---|
ベニアズマ | 5月中旬〜6月上旬 | 10月上旬〜中旬 | 約130日 | 1〜2週間必要 |
べにはるか | 5月中旬〜6月上旬 | 10月中旬〜下旬 | 約140日 | 2週間以上しっかり |
安納芋 | 5月中旬〜6月上旬 | 10月下旬〜11月上旬 | 約140〜150日 | 2〜3週間必要 |
なると金時 | 5月中旬〜6月上旬 | 10月上旬〜中旬 | 約130日 | 1〜2週間必要 |
シルクスイート | 5月中旬〜6月上旬 | 10月中旬〜下旬 | 約130〜140日 | 1〜2週間必要 |
パープルスイートロード | 5月中旬〜6月上旬 | 10月上旬〜下旬 | 約130日 | 1〜2週間推奨 |
タマユタカ | 5月中旬〜6月上旬 | 10月中旬〜11月上旬 | 約130〜140日 | 1〜2週間以上推奨 |
クイックスイート | 5月上旬〜6月上旬 | 9月上旬〜9月下旬 | 約100〜110日 | 不要または軽く |
高系14号 | 5月中旬〜6月上旬 | 10月上旬〜中旬 | 約130日 | 1〜2週間必要 |
🌱 栽培時期の補足ポイント
- クイックスイートは超早生型なので、他の品種より1ヶ月ほど早く収穫できます。
- 安納芋やべにはるかは、特に甘さを引き出すために追熟が重要。すぐに食べると味がぼやけることも。
- どの品種も霜が降りる前に収穫することが絶対条件。遅れすぎには注意しましょう。
まとめ|さつまいもは品種選びで育てる楽しみも広がる!
さつまいもは、ただ「植えて収穫する」だけでなく、品種によって味・食感・育て方・調理の幅が大きく変わる作物です。
今回ご紹介したように、ホクホク系・ねっとり系の違いや、追熟の必要性、収穫までの期間、サイズの出やすさなど、家庭菜園ならではの視点で品種を選ぶことが、栽培成功の第一歩になります。
また、最近はネット注文や通販で入手できる品種も増えており、地域によっては近所のホームセンターでは手に入りにくい人気品種も購入できるようになっています。
☑ この記事を参考にしていただければ…
- 家庭菜園に最適な品種を選べるようになる
- さつまいも栽培の目的や好みに合わせて楽しみ方が広がる
- 収穫後の調理や保存、加工にも活かせる視点が得られる
ぜひ今年は、自分に合った品種を選んで、育てて・掘って・食べるまでのプロセスを思いきり楽しんでください。
さつまいもは、品種選びからもうすでに「家庭菜園の楽しさ」が始まっています!
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